時鳥の曲  
楯山登作曲  作者不詳



   「楯山12曲」の第1曲で、歌詞は古今集より選び集めたものです。

   2首を前歌に1首を後歌にし、間の手事には時鳥の鳴き声を表現した手があります。

   伴奏は左手法を併用した音が繰り返されるツルシャンがあり

   「ツルシャン物」の代表的な曲の1つで、一時非常に流行しました。


   

   我やどの池の藤なみ咲にけり、山時鳥いつかきなかん
   (こぞ)
   去年の夏なきふるしてし時鳥、それかあらぬか声のかわらぬ

   今更に山へ帰るなほととぎす、声のかぎりはわがやどになけ

                      声のかぎりはわがやどになけ



   

   我が家の池のほとりの藤の花が咲いた、山ホトトギスはいつ来て鳴くのだろう

   去年の夏、聞き慣れたホトトギスの声、それは去年の鳥か分らないが同じ声で鳴いている

   今更改まって山へ帰るなホトトギスよ、帰るならありたけの声でこの家でなきなさい


                                                        戻る